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先人の職人達から学ぶ

先人達の心がまえを伝えていこう!

物造りに励んでいる職人達の皆さん、先人達が歩んで来た道を、多くの人に理解してもらう事は重要な事だと思っています。現代の建築においては、木材はほとんど四角に成形されてしまっている。 

木の育った環境やその木のもつ癖も分からず、ただひたすら成形しつづけ、規格化した物造りを推し進めようとす人々。 

先人達が、使用する木材の一本ずつを用途毎に分別し、その木の癖を熟知し配置して建物を建てていったのに・・・・・

それが、木配りであり<気配り>なのだ。 木の気持ちを分かって配置する。それは棟梁が自らの経験と知識を活かして墨付けを行った。 

現代社会においては、やれ耐震だとか何だかんだ言って 、木に呼吸すら与えず、構造合板を貼付ている。

その事自体悪いとは言わないが、やたら規格の釘を無数に打ち続ける。 

きっと数年したら、柱や梁は楔を打ち込まれたのと同じで、ずたずたに割れてしまうだろう。

先人たちは、道具の手入れを入念に行い、気持ちを集中させ自分の持っている技術の全てを発揮し、互いに競い合う事により個性のある独創的な物を作り上げてきた。

それが他国にも自慢できる日本建築の素晴らしさであり、美しさだと思います。 

職人が金儲けに走り、中途半端な親方が増え続け、この道の門をたたく若者達に技術を伝承する事を忘れてしまった。

住宅メーカーの商法に呑み込まれ、肝心な事を置き去りにしてしまった。 きっとこの付けは近年中に来るだろう。

先人達が残してきた財産を10年や20年で葬ってしまうのは、いかがだろうか。 

建築資材として、何の根拠もなく擬似的な商品を作り上げ、その結果、今になって「エコ」なんてちゃんちゃらおかしな話である。 

本来、道具というものは、職人達が不便さを感じ、またより高い技術を求めた結果生まれてきたものである。 

理がわからず物を造ることは、怖いことである。 

 

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